やっぱりグッピーは買うのが難しい [グッピー]
アグラオネマがトロける病気が一昨年から問題になっています。どうやら購入先を選べば大丈夫なのでうちでは被害はありませんでした。
一方のグッピーはというと、相変わらず一般店での状態は良くないです。一昨年我が家の仲間入りしたグッピーの中に、導入にエラく苦労した品種がありました。約15腹目を採ったところで、やっと針病にならない稚魚が得られました。もう20年もこんな感じが続いているので、これからもずっとこのままなのでしょう・・・
昔の「丈夫でよく殖える」グッピーはどこへ行ったんだ・・・
前提として、お店で目の前で泳いでいるグッピーは全部病気だと疑ってかかる必要があります。仮にシンガポールや国内のブリーダーの施設内で綺麗さっぱり解決したとしたも、問屋や販売店の水槽がキャリア化してしまってるのでどうしようもありません。
検疫が面倒だからと、病気持ちのグッピーをそのまま水槽に泳がせると、自宅での後々の飼育難易度がぐんと上がります。逆に持ち込まなければ、昔ながらの「丈夫でよく殖える」グッピーを楽しむことができます。
この20年ほどの間、グッピーを飼いにくくしている病気の原因を従来から知られている病原菌に求めてしまうと、本質が見えなくなります。新たに「別のナニカ」が悪さをしていると仮定して考慮すると、様々な現象をうまく説明できるようになります。
グッピーを飼われたことのある方は皆経験済みとは思いますが、昨日まで絶好調だったグッピーが、急にヒレを閉じて腰を振り出すことがあります。「別のナニカ」を持ち込んだグッピーは、すぐに病気(ほぼカラムナリス)になり、そのたびに塩で抑え込む、という先の見えないモグラ叩きを続けることになります。
超ベテランになると「ちゃんと管理して発動させなければOK」「出たら棄てる」と上手に付き合うことも可能ですが、初心者なら「もう二度とグッピーなんて買わない」になります。これならまだマシで、初めての熱帯魚がグッピーだったりすると「やっぱり熱帯魚は飼いにくい」となり、新規のお客様が定着してくれなくなります。残念ながら、病気持ちのグッピーの蔓延が熱帯魚業界衰退の後押しをしてしまっています。
『量販店で売られている熱帯魚の中で最も飼いにくい魚が、初心者にいちばん買われている』という深刻な状況が続いています。
グッピーを思う存分楽しむためには「病気を持ち込まない」、これに尽きます。
以下の文章は、2011年4月に書いたものを貼り付けています。(分かりにくいところを少し修正してます)長くてすみませんが、ご参考までに。
我が家の温室の一角
ここに、外からやってきたグッピーをまとめて置いています。めだか館プラケース使用。
めだか館プラケ、いいですね。もう15年も大事に使っています。水槽壁面が床に対して垂直なので、飛び出し事故が起こりにくいです。
外からの魚。
園芸ネットで仕切られており、稚魚は後ろに逃げられるようになっています。
濾過器やエアストーンは絶対に使用しません。システムが複雑になれば、それだけ感染経路が増えます。
稚魚を発見したら、即刻このように床に3つ並べます。(右利きの場合)
左端は外からの魚を飼育しているプラケです。
右の2つは100均のケースで、温度を合わせた汲み置きの新水を入れています。
(注:100均のケースは新品だと表面に薬品が付着しているので、ヌメリがとれるまでよく洗ってから使いましょう)
稚魚を網で掬います。
小さいネットを使用することにより、親水槽の水の持ち込みを大幅に減らすことができます。
真ん中の容器で、稚魚を網ごと軽く濯ぎます。
これで、親水槽の水の大部分を落とします。
右側の水槽に稚魚を集めます。
これでしばらく( だいたい1時間から半日くらい )落ち着かせ排泄させます。まだ給餌はしません。
流しの近くの水草水槽の水温を指で計ります。理由は「蛇口に近いから」
温室なので、汲み置き水を入れたコップとかの方がよさそうですね。
蛇口から出てくる水道水の温度を、水草水槽の水温と同じになるように調節します。
回収した稚魚を網に移します。
この間、水道は出しっぱなしにしておきます。
すぐに稚魚と網を水道水で洗います。
稚魚に直接水流が当たらないように、優しく扱います。
約10秒くらい。
先ほど稚魚が入っていたケースとは別のケースに移します。汲み置きの新水が入っています。
なるべく網は浸けずに、稚魚を落とします。
網の裏から息を吹きかけたり、縁でコンコンと振動させるとうまくいきます。
なんの稚魚か判らなくなるとアレなので、記憶が確かなうちにラベルを貼っておきます。
出産数が多い場合は、ケースを2つ以上に分けることもあります。
親と同じラックの上段に置きます。
消化管内の水もできるだけ抜きたいので、出産後翌日くらいまでの間に網を用いての全量換水&濯ぎを、あと1~2回ほど行います。出産後2日間の給餌は洗浄直後のみに、残餌が出ないように行います。(隔離が遅れた場合は、気持ち多めに洗います)
3日目以降~1ヶ月くらいの間は足し水のみで一切水換えはしません。
水質維持のための水草投入や、貝の投入もしません。種水も入れません。
病気予防になってしまうので塩も入れません。
餌は普通にやるので、水はどんどん汚れていきます。近づくと少々異臭を感じるようになりますが、健康なグッピーであればなんともありません。無事に1ヶ月を乗り越えたら、数日かけて少しずつ水を換えて新しい水に慣らします。これで、やっと我が家の一員になれます。
(※病魚をあぶり出すため、故意に悪環境にしています)
もし親がキャリアかつ親子隔離が不十分の場合は、環境の悪化に耐え切れず、あっさり針病になります。その場合は基本的に処分することになります。
友人から預かった大切な魚や、混じり抜きのレアな魚の場合など、特別な事情がある場合のみ、食塩を入れて治療します。治療して育成した場合は、本水槽へのデビューとはなりません。同じ容器で親まで育て上げ再度、隔離棟でペアリングして稚魚を採り、上記の作業を行います。
我が家のグッピーは、以上の検疫を受けているので針病は一切見ませんし、異なる水槽の魚を一緒にしてもヒレを閉じて腰を振ることもありません。
一方のグッピーはというと、相変わらず一般店での状態は良くないです。一昨年我が家の仲間入りしたグッピーの中に、導入にエラく苦労した品種がありました。約15腹目を採ったところで、やっと針病にならない稚魚が得られました。もう20年もこんな感じが続いているので、これからもずっとこのままなのでしょう・・・
昔の「丈夫でよく殖える」グッピーはどこへ行ったんだ・・・
前提として、お店で目の前で泳いでいるグッピーは全部病気だと疑ってかかる必要があります。仮にシンガポールや国内のブリーダーの施設内で綺麗さっぱり解決したとしたも、問屋や販売店の水槽がキャリア化してしまってるのでどうしようもありません。
検疫が面倒だからと、病気持ちのグッピーをそのまま水槽に泳がせると、自宅での後々の飼育難易度がぐんと上がります。逆に持ち込まなければ、昔ながらの「丈夫でよく殖える」グッピーを楽しむことができます。
この20年ほどの間、グッピーを飼いにくくしている病気の原因を従来から知られている病原菌に求めてしまうと、本質が見えなくなります。新たに「別のナニカ」が悪さをしていると仮定して考慮すると、様々な現象をうまく説明できるようになります。
グッピーを飼われたことのある方は皆経験済みとは思いますが、昨日まで絶好調だったグッピーが、急にヒレを閉じて腰を振り出すことがあります。「別のナニカ」を持ち込んだグッピーは、すぐに病気(ほぼカラムナリス)になり、そのたびに塩で抑え込む、という先の見えないモグラ叩きを続けることになります。
超ベテランになると「ちゃんと管理して発動させなければOK」「出たら棄てる」と上手に付き合うことも可能ですが、初心者なら「もう二度とグッピーなんて買わない」になります。これならまだマシで、初めての熱帯魚がグッピーだったりすると「やっぱり熱帯魚は飼いにくい」となり、新規のお客様が定着してくれなくなります。残念ながら、病気持ちのグッピーの蔓延が熱帯魚業界衰退の後押しをしてしまっています。
『量販店で売られている熱帯魚の中で最も飼いにくい魚が、初心者にいちばん買われている』という深刻な状況が続いています。
グッピーを思う存分楽しむためには「病気を持ち込まない」、これに尽きます。
以下の文章は、2011年4月に書いたものを貼り付けています。(分かりにくいところを少し修正してます)長くてすみませんが、ご参考までに。
我が家の温室の一角
ここに、外からやってきたグッピーをまとめて置いています。めだか館プラケース使用。
めだか館プラケ、いいですね。もう15年も大事に使っています。水槽壁面が床に対して垂直なので、飛び出し事故が起こりにくいです。
外からの魚。
園芸ネットで仕切られており、稚魚は後ろに逃げられるようになっています。
濾過器やエアストーンは絶対に使用しません。システムが複雑になれば、それだけ感染経路が増えます。
稚魚を発見したら、即刻このように床に3つ並べます。(右利きの場合)
左端は外からの魚を飼育しているプラケです。
右の2つは100均のケースで、温度を合わせた汲み置きの新水を入れています。
(注:100均のケースは新品だと表面に薬品が付着しているので、ヌメリがとれるまでよく洗ってから使いましょう)
稚魚を網で掬います。
小さいネットを使用することにより、親水槽の水の持ち込みを大幅に減らすことができます。
真ん中の容器で、稚魚を網ごと軽く濯ぎます。
これで、親水槽の水の大部分を落とします。
右側の水槽に稚魚を集めます。
これでしばらく( だいたい1時間から半日くらい )落ち着かせ排泄させます。まだ給餌はしません。
流しの近くの水草水槽の水温を指で計ります。理由は「蛇口に近いから」
温室なので、汲み置き水を入れたコップとかの方がよさそうですね。
蛇口から出てくる水道水の温度を、水草水槽の水温と同じになるように調節します。
回収した稚魚を網に移します。
この間、水道は出しっぱなしにしておきます。
すぐに稚魚と網を水道水で洗います。
稚魚に直接水流が当たらないように、優しく扱います。
約10秒くらい。
先ほど稚魚が入っていたケースとは別のケースに移します。汲み置きの新水が入っています。
なるべく網は浸けずに、稚魚を落とします。
網の裏から息を吹きかけたり、縁でコンコンと振動させるとうまくいきます。
なんの稚魚か判らなくなるとアレなので、記憶が確かなうちにラベルを貼っておきます。
出産数が多い場合は、ケースを2つ以上に分けることもあります。
親と同じラックの上段に置きます。
消化管内の水もできるだけ抜きたいので、出産後翌日くらいまでの間に網を用いての全量換水&濯ぎを、あと1~2回ほど行います。出産後2日間の給餌は洗浄直後のみに、残餌が出ないように行います。(隔離が遅れた場合は、気持ち多めに洗います)
3日目以降~1ヶ月くらいの間は足し水のみで一切水換えはしません。
水質維持のための水草投入や、貝の投入もしません。種水も入れません。
病気予防になってしまうので塩も入れません。
餌は普通にやるので、水はどんどん汚れていきます。近づくと少々異臭を感じるようになりますが、健康なグッピーであればなんともありません。無事に1ヶ月を乗り越えたら、数日かけて少しずつ水を換えて新しい水に慣らします。これで、やっと我が家の一員になれます。
(※病魚をあぶり出すため、故意に悪環境にしています)
もし親がキャリアかつ親子隔離が不十分の場合は、環境の悪化に耐え切れず、あっさり針病になります。その場合は基本的に処分することになります。
友人から預かった大切な魚や、混じり抜きのレアな魚の場合など、特別な事情がある場合のみ、食塩を入れて治療します。治療して育成した場合は、本水槽へのデビューとはなりません。同じ容器で親まで育て上げ再度、隔離棟でペアリングして稚魚を採り、上記の作業を行います。
我が家のグッピーは、以上の検疫を受けているので針病は一切見ませんし、異なる水槽の魚を一緒にしてもヒレを閉じて腰を振ることもありません。
2015-02-11 17:07
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コメント(2)
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聞いてはいましたが、ここまで徹底しているんですね。
見習わせてもらいます。
by tyr8718 (2015-02-17 22:30)
最初のこの一手間が後々の飼育を楽にします。水槽が多いと病気が蔓延したときに大変な思いをするので、水際で止めるよう心がけてます。
by ちうさい (2015-04-06 16:44)