プラチナジャパンブルーレッドピンテール [グッピー]

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この品種についての記述を初めて見た人もいらっしゃるかと思いまして、少し詳し目に解説してみました。裾野を広げるためには、丁寧な説明は必要であると考えています。



●プラチナ(上半身の金色の発色)はプラチナピンテール由来でYに乗っています。

●ジャパンブルー(下半身の青色)は、AFジャパン(懐かしい!)から近場のショップに入荷した、ワイルドタイプのジャパンブルー由来でこれもY。

●尾びれの赤色は、近場のホムセンで売っていたオレンジレースラウンド由来で、Xで揃っています。

●尾型はプラチナピンテール由来。



【作出方法】
1) プラチナピンテールのラインから、尾びれに色が着いている雌(Xプラチナ)をピックアップ。
2) ジャパンブルー(Yジャパンブルー)の雄を交配。
3) 得られた子どもの中から、プラチナジャパンブルーを表現している雄(XプラチナYジャパンブルー)を残す。
4) プラチナピンテールの雌(Xプラチナではない)と交配。
5) 得られた子どもの中から、プラチナジャパンブルーを表現している雄(Yプラチナジャパンブルー)を残す。
6) プラチナピンテールの雌を繰り返し交配してピンテールの固定度を上げる。
7) オレンジレースの雌を交配。
8) 得られた子どもの中から、プラチナジャパンブルーレッドピンテールを表現している雄を残す。
9) オレンジレースの雌を交配。
10)同胎で継代してピンテールの固定度を上げる。


1)について補足
尾びれ着色因子と連動して、プラチナがY→Xに乗り換えた雌の可能性に期待。我が家のプラチナピンテールの尾びれの色彩は、Yに乗っています。さらに、雌にはプラチナの発色は見られず通常は透明尾なので、尾びれで判断するしかありません。

5)について補足
理論上は出現してきません。プラチナがX→Yに偶然引っ越す必要があります。非科学的ですが、「グッピーに対する想いの強さ次第」、といった感があります。稀に、3)の段階でYで固まることもあります。

7)について補足
通常のレッドテールを用いると、尾筒に暗色斑が出てしまい、ジャパンブルーが台無しになってしまいます。オレンジレースの尾筒は非常にスッキリしているので、試しに交配してみたところ、大成功。

9)について補足
これでXが赤尾で揃います。常染色体を揃えることよりも、Xを揃える方を優先しました。ただし、雌を換えるのはこれっきりです。次に雌を換えると、常染色体の必要なものが帰ってこなくなる恐れがかなりあります。






改めて振り返ってみると、1)を始めてから10年以上経っていることに気づきました。我が家では長い部類になります。派手な立ち回りは一時にすぎず、地道な6)と10)に大半を注いでいます。



既知の表現型を組み合わせて新品種を作りたい場合に参考にしていただければ幸いです。自分は遺伝子には一切興味はありませんが、表現型をコントロールするために必要なので、渋々設計図を考えながら進めています。

この品種のように、理論上作出不可能な、いわゆる「矛盾系統」については、はっきり言ってカンだけでは何ともならないです。逆に、理論上作出できる品種は、カンで何とかなってしまうとも言えます。


ワイルドのレア物なんてものは、お金で何とでもなります。自分でレア物が作れてしまうグッピーってすごいですね!!


世界中見渡しても、これが泳いでいるのはウチだけ、なんて痛快ではありませんか!
みなさんもグッピークリエイターを目指しましょう!!


明日は、クリエイターがいらっしゃる聖地に行きます・・・
また紹介しますので、ご期待を!



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コメント 7

まっちゃん

そんなに褒めてくれても何も出ないぞ!ww(爆)
by まっちゃん (2012-12-16 00:59) 

花やん

 これはほんとすごいです。私はピンテール固めるのすら挫折しましたもん。
by 花やん (2012-12-17 07:57) 

tyr8718

土曜日に例のホムセンでこの魚を3匹見つけてすごく気に入り全部連れ帰りました。
こんなに歴史のある魚だったんですね。大事にします。
by tyr8718 (2012-12-17 13:06) 

ずっきー

はじめまして。
僕もグッピーを飼っていますが、
自分オリジナルのグッピーをつくろうといった文章が、とても熱いと感じました!
素敵なグッピーですね。僕もオリジナルのグッピー挑戦してみます。
by ずっきー (2012-12-17 16:10) 

ちうさい

まっちゃんさん

変わらず濃い店内でした。また、行かせていただきます。



花やんさん

気長にゆる~くやっていたのが良かったのだと思います。しっかりピンテールになっているオスが、常時20~30匹いる状況でグループ繁殖できるまでになっています。



tyr8718さん

同じ週の日曜日に10匹くらい放流したので、1週間でいなくなったのですね。持ち帰られた翌日の日曜は、プラチナピンテールのアルビノヘテロを大量に放流しました。



ずっきーさん

一般的な評価基準なんて無視して我が道を行くのが気持ちいいんです。
理想型を描いて愛情をもって飼い続ければ、グッピーはそれに答えてくれると思います。
by ちうさい (2012-12-18 02:02) 

スー

ちうさいさん、はじめまして。

これは、素晴らしいです!
作り込まれた背景や、意図が非常に良く分かります。
思わず、コメントさせて頂きました。

こういう、創造的なグッピーを今後も紹介して頂ければうれしいです。


by スー (2012-12-20 11:28) 

ちうさい

スーさん、ありがとうございます。

創作してみたいけど方法が分からない、という人へのヒントになるような文章も必要だと思い、程良く詳しめに書きました。
スーさんの文章・写真は多くの愛好家の創作意欲を掻き立てていますので、これからも情報発信を期待しています。
by ちうさい (2012-12-22 01:01) 

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